お弁当を幼稚園、そして中学生になった弟のために作ったこと

お弁当というものは簡単そうに見えて実は難しい。

限られた箱の中に何種類ものおかずを入れ、
ご飯を詰めるだけではない。

傷みにくいような食材にしたり、
冷えても美味しく食べられるような味付けにしたりと、
工夫をする必要があるからだ。

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お弁当を幼稚園の弟に

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まだ「キャラ弁」が流行る前、私は幼稚園に通う
歳の離れた弟のお弁当作りを担っていた。

あの小さな箱に色とりどりのおかずを入れることが
非常に大変だったのを覚えている。

けれど空っぽになって帰ってくるお弁当箱と

「今日も美味しかったよー」

という弟の笑顔を見ると、
私はピック選びから何から楽しく作っていたものだった。

中学生になった弟のお弁当

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年月が流れ、そんな弟も中学生になり、
またお弁当が必要になった。

もうすぐ嫁ぐことが決まっていた私は母に頼み込み、
また弟のお弁当作りを始めることにした。

幼稚園時代の倍以上あるお弁当箱に、
食べ盛りの男の子が喜びそうなお弁当…と毎日、
試行錯誤を繰り返した。

弟は「メインのおかずは肉」と所望するので、
パターン化しないように肉の味付けを変えてみたり、
カツにしてみたりと四苦八苦した。

やはり毎日空っぽになって帰ってくるお弁当箱を見ては、
幼稚園時代の弟に聞いたように「美味しかった?」と聞いていた。

「うん」しか返ってこない返事にまた若干落ち込みながらも、
絶対美味しいと言わせてやる!と私は息巻いたのだった。

冷凍食品も使ったし、寝坊した朝は
茶色いおかずしかないような日もあった。

私が嫁ぐその朝までお弁当作りは続いた。

生意気な口を叩いたり、反抗的な態度を取った日は、
キャラクターの可愛いおかずなどを詰めるという
些細な嫌がらせもしてみたが、

弟からは何も言われることがなく
空っぽのお弁当箱が毎日帰ってきた。

お弁当は愛情表現

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嫁ぐ朝、最後の「姉弁」を弟に渡した。

弟は

「今日までお弁当作りありがとう。姉ちゃんの弁当美味しかった!
毎日友達が羨ましがってたよ!また機会があったらよろしく」

と照れくさそうな顔をして、出掛けて行った。

そういえば卒園式でも、最後に園児がパパママに
お礼を言いましょうというコーナーで
お母さんにお礼を言う子が多い中、

たった一人弟だけは
「お姉ちゃんいつもお弁当を作ってくれてありがと」
と言っていたっけ…と少し涙が滲んだ。

お弁当は、愛情表現だと思う。

限られたスペースにいかに自分がそのお弁当を
食べてくれる人を愛しているのかという
思いも一緒に込めながら作るものだ。

だから私は空っぽになって帰ってくるお弁当箱が嬉しかった。

私は弟と、お弁当を通じて姉弟間の交換日記
していたのではないかと今になって思う。

デザートにゼリーを作ってやれば嬉々としながら、
その作る様を眺めている弟の視線を背後に感じるのが嬉しかったし、

毎朝、どんなに眠そうな不機嫌な顔つきでも
お弁当を持っていくのだけは忘れなかった。

勿論、私が手渡ししていたからなのだが、
弟はどんなに不機嫌な朝でも悲しそうな表情の朝でも
「ありがとう」といって私の手から受け取ってくれた。

歳の離れた弟へ姉が出来る最大級の愛情表現はお弁当作りだった。

お弁当を作る機会がなく寂しい

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結婚し、毎日当たり前に料理をするようになり、
いつも無意識に思うのが
「これ、弟のお弁当に入れたら喜ぶだろうな」だ。

夫は営業マンなのでお弁当を持って行かないので
なかなか作る機会がなく寂しいけれど、

弟の時のような張り切り方は出来そうにないと
苦笑交じりに夫に語ると

「弟君のお弁当頑張ってたもんね」

と優しく微笑んでくれる。

いつか弟も、彼女のお弁当や愛妻弁当を持つ日が来るのだろう。

その時に少しでも私のお弁当のことも思い出して
ほしいなと思うブラコンな姉なのだった。

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