沈黙の臓器と呼ばれている、肝臓。
実は自覚症状が起きた時には既に進行していることが多く、
普段から注意が必要な臓器です。
今日ではCMなどでも取り上げられている
ウイルス性肝炎についてご紹介したいと思います。
1:ウイルス性肝炎とは?
ウイルスの侵入により、肝臓が炎症を起こす疾患です。
日本では「B型肝炎」「C型肝炎」にかかっている
患者さんが何百万人と日本にもいます。
自覚症状のない方も多く、自分がウイルス性感染に
罹っていることを知らない方も含めると莫大的な
人数がいるようです。
ウイルスの主な感染ルートは
・母子感染
・避妊具を使わない性行為
・感染者と同じ注射針などを使用した場合
・感染者の血液が付着した針などを指してしまう場合
・感染者が使用したものをきちんと消毒しないまま、
入れ墨やピアスをした場合
などが挙げられています。
現在では、献血時などに精査を行い、
感染された血液は破棄されています。
また母子感染も妊娠時や出産時に医師が対応することで
子どもに感染するケースは極めて稀になっています。
下記のような行動を感染者と一緒に行っても、
感染の危険はありません。
・食器やコップの共有
・ハグや握手
・トイレや入浴
・感染者の血液を吸った蚊に刺された場合
2:B型肝炎とは?
B型肝炎とは、感染者の血液や体液を通じて感染します。
1986年以前は母子感染が主でしたが、
1986年にB型肝炎キャリアの母親から生まれてきた
子どもはワクチンを接種することにより、
母子感染はかなり減少しました。
B型肝炎に感染すると、倦怠感や食欲不振などが
症状として現れ、黄疸が出てきて「おかしい」
と思われる方が多いようです。
今は予防接種などもあるので、
感染する恐れがある場合はワクチン接種を
しておくのも対策の1つです。
疑わしい場合は消化器内科などで血液検査をすれば、
数日で結果が出ます。
3:C型肝炎とは?
C型肝炎も殆どB型肝炎と同様の説明になりますが、
一番の違いは肝臓がんや肝硬変に至るケースが多いのが、
C型肝炎です。
肝臓がんの80%はC型肝炎キャリアだとも言われており、
放置しておくと肝臓の機能がどんどん落ちていきます。
また、ワクチンがあるB型肝炎と違い、
まだC型肝炎のワクチンは存在していません。
4:検査・治療について
多くの場合は、検診などで肝機能の異常を
指摘される方が多いようです。
検査は血液検査や腹部エコー、エコーのような機械で
肝臓の堅さを計れるフィブロスキャン、
針を肝臓に刺す肝生検などが挙げられます。
治療は、抗炎症治療(注射や内服)、
インターフェロン、肝移植などが挙げられます。
定期的に通院し、肝臓の様子をきちんと
診断してもらうことで日常生活を難なく
送っている患者さんも増えてきています。
また、国や自治体などから治療の補助金が
降りることもあるので、
高額な治療も安心して受けられるシステムに
なり始めています。
保健所などでも検査は可能ですが、
専門医に相談することが望ましいと言えるでしょう。
いかがでしたか?
沈黙の臓器なだけに、常に私たちの方から
肝臓に対して気を付けておくことで
ウイルス肝炎は防げることが出来ると同時に、
もしも感染していても早期の治療が行えます。
あなたも是非、自分の肝臓に声掛けをするのを
心がけてみてくださいね。
コメント