8月に入ると、もうじきお盆期間がやって
きます。
お盆と言うと、先祖や亡くなった方々を
供養する行事です。
その際のお供え物を用意する必要があります。
お供え物と言うと、お墓の前に供える
お菓子やお花を連想します。
それとは別にお供え膳と言うものもあるのです。
このお供え膳と言うものが、どう言うものか
お話しましょう。
亡くなった方々に供える精進料理
そもそもは法事やお葬式などにご霊前に
供える御霊供膳と呼ばれるもので
「おりくぜん」とも「おりょうくぜん」
とも読みます。
行事としてのお供え膳を出すのであれば、
お盆やお彼岸の季節に供えます。
御霊供膳は5品からなる精進料理で、
米と漬物を除く一汁三菜を基本とした料理
になります。
仏教本来の精進料理とは、戒律により殺生を
禁じられている為に動物性の食材である肉と
魚は禁忌とされ避けられており
性欲を刺激する精の付くネギ科ネギ属の
五葷(ごくん)と呼ばれる野菜も禁じられて
います。
五と言う数字がそこかしこに見られますが、
御霊供膳には決まりがあり
煮る、焼く、蒸す、生食、揚げるの五法
これらを守って調理すると言う決まり事が
あります。
亡くなった方が、生前好きだった物を
供える方が好ましいと言う考えもあり
今の時代ですと、場所や家庭によっては
あまり厳守されていないようです。
肝心の料理の内容ですが、前述の五味、
五法に従うのであれば肉と魚は避け、
山菜や豆、穀類などを中心にした
あっさり系の物にするべきでしょう。
ちなみに、通常のお供え膳ならば
一汁三菜に米と漬物をあわせたものでも
構いませんが法事やお葬式などの参会者の
方々に丁重なおもてなしをする場合には
更に2品合わせた一汁五菜の場合もあります。
御霊供膳の準備
これまでのお話で料理方法の決まり事は
理解されたと思いますが、では実際準備
するとなると、これが結構大変です。
食材に制限があるだけではなく、
並び方にも決まり事があるのです。
まず御霊供膳の並びですが、一汁三菜と
一汁五菜の二通りのご説明をしましょう。
まず一汁三菜の並びですが、米、汁物、
主菜、副菜1、副菜2(副々菜)で
分けられます。
正方形のお膳を正面に見た時、手前左に
米を、箸を真ん中手前に、汁物を右手前に
置きます。
次に左手奥に副菜1を、お膳の中心に
副菜2を、右手奥に主菜を置きます。
次に一汁五菜の並びですが、更に2皿増える
のでお膳の上が賑やかになります。
お膳に全てを載せる場合は中心に増えた
2皿を載せる事になります。
1つのお膳に全て載せるのが基本ですが、
お膳を複数使って出す場合もあります。
お膳が複数ある場合だと、本膳、焼き物膳、
二の膳、三の膳、引物膳と増えて行きますが
焼き物膳と引物膳は本膳より奥に、二の膳、
三の膳は右と左に配置されます。
数によって配置はその都度変わりますが、
焼き物膳は本膳の奥に置かれるのが主流です。
このように、お供え膳、御霊供膳には並び方が
決まっておりますが、この並びは日本の食卓の
基本になっているものなのです。
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