お盆は日本と中国の夏に行われる
新盆・旧盆・月遅れの盆に分かれる
祖先の霊を祀る行事です。
仏教と祖霊信仰が根深い国ならではの
文化と言えます。
お盆には野菜を動物などにかたどって
お供えをすると言う独特な特徴が
あります。
子供の頃にも作った覚えがあるこの
野菜を供える意味は何でしょうか?
今回はそんな疑問に答えていこうと
思います。
きゅうりの馬とナスの牛
きゅうりとナスに足をつけてお供えする
のを見た事がある人は多い事でしょう。
昔からの疑問なんですが、
これって一体何なのでしょう?
恥ずかしながら最近になって知った事
なのですが、
亡くなった人が現世に帰ってくる際に
きゅうりの馬で早く降りてきて帰る際は
ゆっくりとナスの牛に乗って帰っていく
と言う意味らしいです。
しかしなんでナスときゅうりなんでしょう?
いくら調べても詳しい話は解ってはいない
のですが、お盆の季節の夏野菜と言う事で
採用されたのではないかと言われています。
沖縄ではナスときゅうりの他に先祖の霊が
帰る際の杖として、サトウキビを供えるなど、
お供え物には地域性はあるようです。
食べ物をお供え物に選ぶと言う事は
やはりご先祖様に新鮮な野菜を食べて
もらいたいと言う気持ちがあるから
なのかもしれませんね。
野菜のお供え物をしない浄土真宗
ナスときゅうりで祖先の霊を送迎する
と言うお話をしましたが
お迎えをしない宗派もあるようです。
亡くなった人は極楽浄土に向かい、
現世に戻る事は無い、と言う教えの
「浄土真宗」はお迎えのしきたりが
無いようです。
その為にお供え物は先祖の霊にではなく、
浄土真宗のご本尊である阿弥陀如来の為
だそうです。
お盆の送り火や迎え火など特にやる事
も無く、常に亡くなった人は心の中に
居る、と言う考え方のようです。
この考えもやはり地域性などにより違い
があり、浄土真宗門徒であるはずの
安芸門徒派は通常のお盆同様にお供え
などの行事を行う所もあるようです。
終わった後の野菜の処理
お供え物とは「共に供する」と言う言葉の
意味から
「ご先祖様と分け合っていただきなさい」
と言う意味があるそうです。
亡くなっている人は実際には食べる事が
出来ないけれど供養する気持ちが一番
大事なのです。
お供えが終わったら食べてあげてくださいね。
昔はお供え物を灯篭流しのように川に
流したり、土に埋めたりする慣習も
ありました。
現在では環境の問題もあり、用意には
出来ません。
塩で清めた後に半紙などの白い紙に包んで
処分すると言う方法もあります。
お供え物を処分すると言うのは気が引け
ますが、もし処分するのであれば、その際も
感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
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