私が母の初盆を迎えたのは今から3年前です。
祖父母よりも早く鬼籍に入ったので、
何もかも手探りで妹と二人、
双子の子を抱えて準備をしたのを覚えています。
提灯や思う様の手配は父がしたのですが、
精進弁当の手配や掃除、諸々をしたはずなのですが、
今では記憶があまり残っていません。
当日慌ただしくして、終わった時はほっとしました。
初盆とは
初盆とは亡くなった方が初めて
霊魂として帰ってくる日です。
初めてのお盆なので御供養にも念が入っています。
お坊さんにお願いしてお経を読んでいただき、
親族が集まって供養をします。
お盆は西日本では8月の半ば、
一般に13日~15日です。
13日の夕方早い時間に迎え火をたいてお迎えします。
15日には日が沈んでから送り火をたいてお見送りします。
私が幼い頃は、祖父母に家の近くの川で、
精霊流しと言って、お供物や花やろうそくを立てた船を
川に流す慣習がありました。
夜の闇の中、ゆらゆらと揺れるロウソクの光が好きで、
毎年見に行っていました。
初盆の準備は
父に言われて、私と妹は初盆の細かな準備をしました。
父は母を亡くした悲しみから、
お寺の勉強会に行くほど熱心な信徒になったので、
細々としたことを逐一チェックしていました。
初盆での花の備え方は
浄土真宗では花は日頃は1つだけれど、
法要の際は2つ準備することだとか
お供えの仕方などなどです。
当日は実家の馴染みの仕出し屋さんに
お願いしたのですが、
約束の時間を少し過ぎてしまい父が激怒したり、
お坊さんへの駐車場の案内が悪いだと言って
父が腹を立てていました
(どちらも怒りは私と妹に向けられました)。
じゃあ自分ですれば、とも思ったのですが、
お経を読まれている際に涙ぐむ父を見ると
何も言えなくなってしまいました。
座布団の用意だの、お茶等飲み物やおつまみだの
(田舎なので飲み会が始まります)準備に
てんやわんやでゆっくり母を偲ぶことも
出来ませんでした。
初盆で提灯は
初盆では親戚からたくさんの提灯が送られてきました。
勿論我が家でも家紋入りの白い提灯を準備しました。
初盆は白い提灯を灯します。
親戚からはそれぞれの家紋だったり、
毎年使えるように絵柄入りの淡い提灯だったりしました。
お盆のあいだは、
消すことなくずっと提灯の明かりを灯しています。
とても幽玄の趣でした。非現実的な空間というのか、
ずーっと眺めていられました。
そして思い出すのは母のことです。
提灯にはそのような役目もあるのかもしれません。
私は今年の夏も初盆が何件もあります。
若かった母と違い皆ご高齢だったのですが、
それでももう少し生きていて欲しかったと思いながら
また初盆を迎えるのでしょう。
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